泉佐野市のゴミ屋敷対策|条例の基本方針・雑草や樹木も対象・勧告前の審議会
泉佐野市は「泉佐野市建築物等における不良な生活環境の解消に関する条例」(令和3年12月22日 泉佐野市条例第22号)を定め、令和4年4月1日から施行しています。
この記事では、市の例規集の条例本文と、市のサイトに掲載されている条例本文(PDF)を2026年11月4日に開いて確認した内容をもとに、泉佐野市の条例の特徴を整理しました。
この記事の要点
- 物の堆積・放置に加え、雑草や樹木の繁茂も対象。悪臭、衛生上有害な虫などの発生、防災活動に著しい支障が生じるおそれで周辺の生活環境が著しく損なわれている状態
- 解消は原則として堆積者・所有者等が自ら行い、それだけでは解消できないときは市と自治会などの自治組織、関係者が協力すると定めている
- 勧告の前に泉佐野市環境衛生審議会の意見を聴く。命令に従わないときは代執行ができる
- 条例本文に罰則と公表の規定はない。緊急措置の費用は堆積者または所有者等の負担
1基本方針と関係者の役割
泉佐野市の条例は、解消の進め方を基本方針として定め、堆積者・所有者等・近隣の市民・自治組織それぞれの役割を分けて書いています。
| 立場 | 条例で定める役割 | 条文 |
|---|---|---|
| 基本方針 | 不良な状態は原則として堆積者または所有者等が自ら解消する。それだけでは解消が不可能と認められるときは、市と自治組織その他の関係者が協力して行う | 第3条 |
| 堆積者 | 物の堆積等で自ら居住・占有する建築物等を不良な状態にしている人。速やかな解消に努める | 第2条第3号・第4条第2項 |
| 所有者等 | 堆積者以外の所有者・占有者・管理者。不良な状態にならないよう努め、なったときは堆積者と協力して解消に努める。市の活動に協力する | 第2条第4号・第5条 |
| 近隣の市民 | 不良な状態にある建築物等の近隣に住む市民は、解消のための取組に協力する | 第4条第3項 |
| 自治組織 | 自治会・町会など地域の団体。市・市民・堆積者・所有者等と相互に協力する | 第2条第5号・第7条 |
| 市 | 原因と経緯の検証に努め、関係者と協力して必要な対策を総合的に講じる | 第6条 |
2泉佐野市の条例の概要
| 名称 | 泉佐野市建築物等における不良な生活環境の解消に関する条例(令和3年12月22日 泉佐野市条例第22号) |
|---|---|
| 施行 | 令和4年4月1日(附則)。令和4年12月26日 条例第29号による改正は令和5年4月1日施行 |
| 建築物等 | 現に居住その他の使用がなされていることが常態である建築物とその敷地(第2条第1号) |
| 不良な状態 | 物の堆積・放置、または雑草・樹木の繁茂により、悪臭、衛生上有害な虫その他の動物の発生、防災活動に著しい支障が生ずるおそれのいずれかが生じ、周辺の生活環境が著しく損なわれている状態(第2条第2号) |
| 審議会 | 勧告の前に泉佐野市環境衛生審議会の意見を聴く(第11条第2項) |
| 罰則・公表 | 条例本文に、罰金・過料や氏名の公表の規定はありません |
市長は、条例の施行に必要な限度で、堆積者の居住の状況、親族関係、就労の状況、心身の状態、保健福祉に関する制度の利用状況などについて報告を求め、調査できます(第8条第1項)。他の地方公共団体の長などの関係機関に協力を求めることもできます(第9条)。
3助言・指導から代執行までの流れ
条例本文の規定を、調査から順に並べると次のとおりです。
01調査・立入調査
報告の徴収と調査ができ、建築物等が不良な状態にある(おそれがある)ときは職員が立ち入って調査・質問できます。立ち入る際は、堆積者または所有者等に通知します(通知が困難なときを除く)(第8条)。
02助言・指導
堆積者に解消のための助言・指導を行い、必要があるときは解消に必要な権限を持つ所有者等にも助言・指導できます(第10条)。
03勧告
助言・指導をしても不良な状態が続くときは、相当の期間を定めて必要な措置を勧告できます。勧告の前には泉佐野市環境衛生審議会の意見を聴きます(第11条)。
04命令
勧告をしても不良な状態が続き、近隣の住民の生活環境が著しく損なわれていると認めるときは、相当の期限を定めて措置を命じることができます(第12条)。
05代執行
命じた措置が履行されない、履行しても十分でない、期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法により代執行できます(第13条)。
4費用の扱い
緊急措置の費用
不良な状態により市民の生命・身体・財産に危害が及ぶことを防ぐため緊急の必要があるときは、市長は必要最小限の措置を行うことができ、その費用は堆積者または所有者等の負担と定めています(第14条)。
代執行の費用
代執行は行政代執行法の定めるところによります(第13条)。
片付けの費用
条例本文には、市が排出を支援する規定や、その費用の定めはありません。片付けは原則として堆積者または所有者等が自ら行うとしています(第3条第1号)。
5相談窓口
泉佐野市役所(代表)
〒598-8550 大阪府泉佐野市市場東1丁目1番1号、電話 072-463-1212。2026年11月4日の時点で、この条例の担当課を案内する市のページは見つかりませんでした。代表電話で条例名を伝えて問い合わせてください。
条例では、近隣に住む市民も解消のための取組に協力すると定めています(第4条第3項)。地域の自治会・町会を通じて相談する方法もあります。
業者に依頼する場合の許可の確かめ方は片付け業者の許可の確認方法、無料回収をうたう業者への注意点は「無料回収」の注意点で解説しています。条例のある他の自治体との違いはゴミ屋敷の条例と自治体の相談窓口にまとめています。
6よくある質問
Q. 泉佐野市の条例は雑草や樹木の繁茂も対象ですか。
A. はい。物の堆積・放置に加えて、雑草・樹木の繁茂により悪臭や有害な虫の発生などが生じ、周辺の生活環境が著しく損なわれている状態も対象です(第2条第2号)。
Q. 市が片付けを手伝ってくれますか。
A. 条例本文に市が排出を支援する規定はありません。基本方針では、原則として堆積者または所有者等が自ら解消し、それだけでは解消が不可能なときは市・自治組織・関係者が協力するとしています(第3条)。
Q. 泉佐野市の条例に罰則はありますか。
A. 条例本文に罰金・過料や公表の規定はありません。命令に従わない場合は代執行ができます(第13条)。
Q. 勧告の前に審議会の意見を聴くのはなぜですか。
A. 条例は、勧告を行うに当たって泉佐野市環境衛生審議会の意見を聴かなければならないと定めています(第11条第2項)。理由は条例本文には書かれていません。
7出典・参考にした公式情報
本記事の制度・窓口の記述は、以下の公式情報にもとづいています。
- 泉佐野市建築物等における不良な生活環境の解消に関する条例(泉佐野市 例規集・2026年11月4日確認)
- 泉佐野市建築物等における不良な生活環境の解消に関する条例施行規則(泉佐野市 例規集・2026年11月4日確認)
- 泉佐野市建築物等における不良な生活環境の解消に関する条例(PDF)(泉佐野市・2026年11月4日確認)
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本記事は、泉佐野市の条例本文を2026年11月4日に確認した内容にもとづく一般的な情報です。個別の事案への対応は、市の担当窓口が状況に応じて判断します。制度や窓口は変わることがあるため、必ず泉佐野市の最新の案内をご確認ください。