片付けレスキュー
自治体のゴミ屋敷対策

大阪市のゴミ屋敷対策|条例の流れ・区役所の相談窓口・経済的支援

片付けレスキュー編集部

大阪市は平成25年12月に、いわゆる「ごみ屋敷」に対応するための条例を制定しています。市のページは、ただちに行政の強制権を使うのではなく、福祉的な支援を必要とする場合は区役所をはじめとする関係機関が連携して支援することを基本としています。

この記事では、大阪市の公式ページと条例本文を2026年11月2日に開いて確認した内容をもとに、対象となる状態、相談から解消までの流れ、費用と経済的支援の扱い、相談窓口を整理しました。本人・家族・近隣の方が相談先を確かめるための情報としてお使いください。

この記事の要点

  • 条例は平成25年12月2日制定(条例第133号)、平成26年3月1日施行
  • 相談・通報の窓口は、お住まいの区の区役所
  • 指導・勧告のあと、命令と代執行は審議会の意見を聴いて行う。代執行の費用は堆積者から徴収する
  • 経済的理由で自ら解消できない場合、本人の申出にもとづく経済的支援の規定がある

1大阪市の条例の概要

名称大阪市住居における物品等の堆積による不良な状態の適正化に関する条例
制定・施行平成25年12月2日 条例第133号。附則により平成26年3月1日から施行
対象となる状態物品等の堆積により、ごきぶり・はえ等の害虫、ねずみ、悪臭が発生すること、または火災発生のおそれがあること等のため、周辺の生活環境が著しく損なわれている状態(第2条)
対象となる建物等市内の建物とその周辺の土地。共同住宅は、居住の用に供する各部分と、その周辺の共用部分(第2条)
相談・通報の窓口お住まいの区の区役所

条例は、市・市民・建物の所有者等の責務も定めています。市民は居住する建物等を不良な状態にしてはならず、所有者や管理者は、不良な状態になった場合に堆積者と協力して解消するよう努めることとされています(第4条・第5条)。

2相談から解消までの流れ

大阪市のページと条例本文に書かれている手続きを、相談から順に並べると次のとおりです。実際の対応は個別の状況によって異なります。

01区役所への相談・通報

「ごみ屋敷」を見つけた、悪臭等で困っている、堆積者への福祉的支援を求めたい、といった相談・通報は、各区役所が受け付けています。

02調査

市長は、必要な限度で職員に建物等へ立ち入って調査させ、居住者や所有者等に質問させることができます(第6条)。職員は身分証明書を携帯し、求めがあれば提示します。

03対策会議

区長は、地域住民や関係機関の代表者などから多角的な意見を聴くため、対策会議を開くことができます(第11条)。

04指導・勧告

不良な状態にあると認めるときは、堆積者に堆積物の適切な保管や処分などの改善措置を行うよう指導し、なお改善されない場合は期限を定めて勧告することができます(第7条)。

05命令・代執行

勧告後も近隣の生活環境が著しく損なわれている場合は、審議会の意見を聴いたうえで命令できます(第8条)。命令に従わない場合は、行政代執行法にもとづき代執行を行い、費用を堆積者から徴収できます(第9条)。

3片付けの費用と支援の扱い

代執行の費用は堆積者から徴収

条例第9条は、市長が自ら改善措置を行い、または第三者に行わせた場合、その費用を堆積者から徴収できると定めています。

経済的支援の規定

近隣の生活環境が著しく損なわれ、かつ堆積者が経済的理由により自ら解消することが困難と認められる場合、堆積者の申出にもとづき、解消に必要な経済的支援を行うことができます(第10条)。実施にあたっては審議会の意見を聴きます。

支援の対象外となる場合

第10条ただし書きにより、命令を受けた堆積者が正当な理由なく命令に従わない場合は、経済的支援の対象になりません。支援の内容や対象になるかは、福祉局の担当課に確認してください。

4相談窓口

お住まいの区の区役所(相談・通報)

発見・悪臭等の困りごと・堆積者への福祉的支援の相談は、各区役所の担当窓口へ。

環境局 事業部 事業管理課

条例の内容、指導・勧告・命令・代執行に関すること。〒545-8550 大阪市阿倍野区阿倍野筋1丁目5番1号(あべのルシアス13階)、電話 06-6630-3226。

福祉局 生活福祉部 地域福祉課

経済的支援の制度に関すること。〒530-8201 大阪市北区中之島1丁目3番20号(大阪市役所2階)、電話 06-6208-7970。

市のページは、ごみ撤去後も再び「ごみ屋敷」に戻ることのないよう、地域等による見守り支援を続けていくことを基本としています。家族が片付けを進める場合も、区役所の窓口とつながっておくと、片付けた後の支援を相談しやすくなります。

5片付けで出たごみの出し方(市の案内)

本人や家族が自分たちで片付ける場合、出たごみは大阪市のルールに沿って出す必要があります。市の「粗大ごみの収集について」のページ(2026年10月21日更新)では、次のように案内されています。

一時的に多量に出るごみは粗大ごみとして収集

家庭の引越しや大掃除などで一時的に多量に出されるごみは、粗大ごみとして収集するとされています。事業所やお店から出るごみは対象外です。

申込み方法

インターネット(24時間365日)、チャットボット、電話(粗大ごみ収集受付センター。月曜日から土曜日の午前9時から午後5時、12月29日から1月3日は休み)、ファックス・はがきで申し込みます。手数料は品目ごとに決まっており、市の手数料一覧表で確認できます。

一般廃棄物収集運搬業許可業者の名簿

大阪市は許可業者の名簿を許可番号順と行政区順で公開しています(令和8年10月1日現在)。行政区順は市内事務所の所在地ごとの掲載で、申し込みの際はどの行政区の業者を選んでもよいとされています。

リユースの案内

粗大ごみに出す前に、市と連携協定を結んだ株式会社マーケットエンタープライズ・株式会社ジモティーのサービスでのリユースも案内されています。

業者に依頼する場合の許可の確かめ方は片付け業者の許可の確認方法、無料回収をうたう業者への注意点は「無料回収」の注意点で解説しています。条例のある他の自治体との違いはゴミ屋敷の条例と自治体の相談窓口にまとめています。

6よくある質問

Q. 大阪市でゴミ屋敷の相談はどこにすればよいですか。

A. 発見した、悪臭等で困っている、堆積者への福祉的支援を求めたい、といった相談・通報は、お住まいの区の区役所の担当窓口が受け付けています。条例の内容や指導・命令については環境局事業部事業管理課(06-6630-3226)が担当です。

Q. 大阪市はすぐに強制的に片付けますか。

A. 市のページは、ただちに行政による強制権を行使するのではなく、福祉的な支援を必要とする場合は区役所をはじめとする関係機関が連携して支援することを基本としています。命令・代執行は、指導・勧告を経ても改善されない場合の手続きで、審議会の意見を聴いて行います。

Q. 片付けの費用を大阪市が出してくれることはありますか。

A. 条例第10条に、経済的理由で自ら解消することが困難な場合に、本人の申出にもとづいて経済的支援を行うことができる規定があります。審議会の意見を聴いて行うもので、命令に正当な理由なく従わない場合は対象外です。詳しくは福祉局生活福祉部地域福祉課(06-6208-7970)に確認してください。

Q. マンションの一室も対象になりますか。

A. 条例の「建物等」には、共同住宅の居住部分と、その周辺の共用部分が含まれます(第2条)。

7出典・参考にした公式情報

本記事の制度・窓口の記述は、以下の公式情報にもとづいています。

本記事は、大阪市の公式ページと条例本文を2026年11月2日に確認した内容にもとづく一般的な情報です。個別の事案への対応は、区役所などの担当窓口が状況に応じて判断します。制度や窓口は変わることがあるため、必ず大阪市の最新の案内をご確認ください。