神戸市のゴミ屋敷対策|条例の流れ・措置の判断基準・区の相談窓口
神戸市は、いわゆる「ごみ屋敷」の解消を目指して、平成28年6月29日に「神戸市住居等における廃棄物その他の物の堆積による地域の不良な生活環境の改善に関する条例」を公布しています。市は、居住者自身の病気や体の衰えなどでごみを捨てられずにいるケースもあるとして、必要に応じて居住者への働きかけ・支援を行うとしています。
この記事では、神戸市の公式ページと条例本文・措置の判断基準を2026年11月2日に開いて確認した内容をもとに、対象となる状態、相談から解消までの流れ、費用の扱い、相談窓口、片付けで出たごみの出し方を整理しました。
この記事の要点
- 条例は平成28年6月29日公布、同年8月1日施行(調査・措置などの一部の規定は同年10月1日施行)
- 相談窓口は各区の地域協働課
- 措置は助言・指導、勧告、命令、代執行の順。程度は市の「措置の判断基準」で分類されている
- 代執行や応急的な措置の費用は居住者等の負担とすることができる。経済的支援の規定もある
1神戸市の条例の概要
| 名称 | 神戸市住居等における廃棄物その他の物の堆積による地域の不良な生活環境の改善に関する条例(神戸市条例第8号) |
|---|---|
| 公布・施行 | 平成28年6月29日公布。附則により平成28年8月1日施行。ただし第9条から第13条まで(助言・指導、勧告、命令、代執行、応急的危険回避措置)は同年10月1日施行 |
| 対象となる状態 | 廃棄物その他の物の堆積により、悪臭の発生、ねずみ・はえその他の衛生上有害な虫その他の動物の発生、火災が発生するおそれがある状態などが生じ、地域の衛生または生活環境上支障が生じている状態(第2条) |
| 市のページの説明 | 悪臭や衛生上有害な害虫などが発生している、火災発生のおそれがある、などにより、近隣に衛生・生活環境上の支障がある建物 |
| 相談窓口 | 各区の地域協働課 |
市のページは、居住者は建物などを適切に管理しなければならず、居住者や所有者、管理者は建物などの不良な状態の発生予防と解消に努めなければならないと説明しています。
2相談から解消までの流れ
神戸市のページ「解消のながれ」と条例本文に書かれている手続きを、順に並べると次のとおりです。実際の対応は個別の状況によって異なります。
01区の地域協働課への相談
「ごみ屋敷」に関する相談は、各区の地域協働課が受け付けています。
02調査
市長は、条例の施行に必要な限度で、不良な状態の内容や建物の使用・管理の状況、堆積者の居住の状況、親族関係、心身の状態、保健福祉制度の利用状況などについて、報告を求めたり調査したりできます(第7条)。
03居住者への働きかけ・支援
居住者自身で適切な管理ができていない場合、市は適切に管理するよう働きかけ、必要に応じて生活上の課題解決を支援します。介護サービスの導入などの福祉・医療的支援を検討し、必要に応じて実施するとしています。
04助言・指導、勧告
働きかけ・支援をしても改善しない場合、判断基準にもとづき、周辺への影響の程度に応じて検討会を開き、条例による措置を行います。助言・指導(第9条)のあと、なお改善されなければ勧告を行い(第10条)、正当な理由なく従わない場合は氏名などを公表できます。
05命令・代執行
勧告後も近隣の生活環境が著しく損なわれている場合は命令ができ(第11条)、命令に従わない場合は市が代執行をすることがあります(費用は居住者負担)。勧告・命令・代執行にあたっては学識経験者の意見を聴きます。
3片付けの費用と支援の扱い
代執行の費用は居住者負担
市のページには、命令に従わない場合は市が代執行(費用は居住者負担)をする場合があると書かれています。
応急的危険回避措置の費用
生命・身体・財産への危害を防ぐため緊急の必要がある場合、市長は必要最小限の措置をとることができ、その費用は堆積者または所有者等の負担とすることができます(第13条)。
経済的支援の規定
近隣住民の生活が損なわれ、かつ堆積者が経済的理由により自ら解消することが困難と認められる場合、堆積者の申出にもとづき、必要な経済的支援を行うことができます(第15条)。資産などの調査を行い、学識経験者の意見を聴いて実施します。
過料の規定
正当な理由なく立入調査等を拒んだ場合や、命令に違反した場合について、過料に処する規定があります(第16条)。
4相談窓口
各区の地域協働課
「ごみ屋敷」に関する相談の窓口です。お住まいの区の区役所の地域協働課に問い合わせます。
環境局 事業系廃棄物対策課
市の「ごみ屋敷にお困りの方へ」のページの問い合わせ先です(市のページではお問い合わせフォームが案内されています)。
措置の判断基準
市は、不良な状態を「著しく衛生上有害となるおそれのある状態」(有害危険物質の放置、大量の廃棄物等の保管状況が不良、衛生害虫の発生)と「周辺の生活環境保全のため放置することが不適切な状態」(悪臭、火災発生のおそれ、通路等の堆積による通行等の障害)に分け、悪影響の程度と危険の切迫性に応じて、助言又は指導相当から代執行相当までを定めています。
市は、居住者への働きかけ・支援により、居住者自身によるごみ屋敷の解消と再発防止につなげていくとしています。家族が片付けを進める場合も、区の窓口とつながっておくと、福祉・医療的な支援を相談しやすくなります。
5片付けで出たごみの出し方(市の案内)
神戸市の「ごみ処理の相談窓口(市では収集しないもの)」のページと市のよくある質問では、遺品整理などによる家財の片付けごみや引っ越しごみなどの一時多量ごみは、市では収集しないと案内されています。
市の処理施設に自分で持ち込む(有料)
布施畑環境センターや各クリーンセンターへ、自分で分別して持ち込むことができます。布施畑環境センターへの持ち込みは予約手続きが必要です。手数料は市の「処理施設にご自分で持ち込む場合」のページで確認します。
一般廃棄物収集運搬許可業者に依頼する(有料)
許可業者の紹介は、神戸市環境共栄事業協同組合(共栄会)が窓口です。電話 078-331-3470、平日9時から16時(祝日を除く)。
悪質な業者への注意
市のページは、ごみの無料回収や不用品買取などを装った悪質な業者に気を付けるよう呼びかけ、環境省の「無許可」の回収業者に関するページを案内しています。
業者に依頼する場合の許可の確かめ方は片付け業者の許可の確認方法、無料回収をうたう業者への注意点は「無料回収」の注意点で解説しています。条例のある他の自治体との違いはゴミ屋敷の条例と自治体の相談窓口にまとめています。
6よくある質問
Q. 神戸市でゴミ屋敷の相談はどこにすればよいですか。
A. 神戸市のページでは、「ごみ屋敷」に関する相談は各区の地域協働課に問い合わせるよう案内されています。
Q. 神戸市はどのような状態を「ごみ屋敷」としていますか。
A. 条例では、廃棄物その他の物の堆積により、悪臭、ねずみ・はえ等の衛生上有害な虫などの発生、火災が発生するおそれがある状態などが生じ、地域の衛生または生活環境上支障が生じている状態を「不良な状態」としています。
Q. 代執行になった場合の費用は誰が払いますか。
A. 市のページには、命令に従わない場合は市が代執行(費用は居住者負担)をする場合があると書かれています。経済的理由で自ら解消することが困難な場合に、本人の申出にもとづく経済的支援の規定もあります(条例第15条)。
Q. 遺品整理で出た大量のごみは神戸市が収集してくれますか。
A. 一時多量ごみは市では収集しません。自分で市の処理施設に分別して持ち込むか、一般廃棄物収集運搬許可業者に引き取りを依頼します。許可業者の紹介は神戸市環境共栄事業協同組合(078-331-3470)が窓口です。
7出典・参考にした公式情報
本記事の制度・窓口の記述は、以下の公式情報にもとづいています。
- ごみ屋敷にお困りの方へ(神戸市(2024年12月2日更新)・2026年11月2日確認)
- 神戸市住居等における廃棄物その他の物の堆積による地域の不良な生活環境の改善に関する条例(PDF)(神戸市・2026年11月2日確認)
- 「神戸市住居等における廃棄物その他の物の堆積による地域の不良な生活環境の改善に関する条例」に基づく措置の判断基準(PDF)(神戸市・2026年11月2日確認)
- ごみ処理の相談窓口(市では収集しないもの)(神戸市・2026年11月2日確認)
- ごみが多くありますが、まとめて処理できますか?(神戸市FAQ(2025年9月30日更新)・2026年11月2日確認)
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本記事は、神戸市の公式ページ・条例本文・措置の判断基準を2026年11月2日に確認した内容にもとづく一般的な情報です。個別の事案への対応は、区などの担当窓口が状況に応じて判断します。制度や窓口は変わることがあるため、必ず神戸市の最新の案内をご確認ください。