鎌倉市のゴミ屋敷対策|条例の4段階の支援・共同住宅の扱い・審議会の開催実績
鎌倉市は「鎌倉市住居における物品等の堆積による不良な状態の解消及び発生防止のための支援及び措置に関する条例」(平成30年3月 鎌倉市条例第58号)を定め、平成30年4月1日から施行しています。
市のページでは、不良な状態の背景には認知症や高齢に伴う身体機能の低下、地域社会からの孤立など、堆積者が抱えるさまざまな生活上の課題があることが多いとし、堆積者に寄り添った支援を行うと説明しています。この記事では、市のページと、同じページに掲載されている条例本文(PDF)を2026年11月4日に開いて確認した内容をもとに整理しました。
この記事の要点
- 物品等の堆積による悪臭、ゴキブリ・ねずみ等の害獣虫、火災等または通行上の危険のおそれで、周辺の生活環境が著しく損なわれている状態が対象。共同住宅は居住部分と周辺の共用部分が対象
- 支援は、相談・調査、福祉制度の手続の案内、申出に基づく排出支援、解消後の見守りの4段階
- 支援で解消が難しい場合は指導・勧告・命令・代執行。命令と代執行の前に審議会の意見を聴く。条例本文に罰則はない
- 問い合わせ先は環境部環境保全課 環境保全担当(0467-61-3420)
1鎌倉市の条例の概要
| 名称 | 鎌倉市住居における物品等の堆積による不良な状態の解消及び発生防止のための支援及び措置に関する条例(平成30年3月 鎌倉市条例第58号。年月は市の判定基準要綱の表記による) |
|---|---|
| 施行 | 平成30年4月1日(付則) |
| 不良な状態 | 物品等の堆積により、悪臭、ゴキブリ・ねずみ等の害獣虫の発生、火災等または通行上の危険が発生するおそれのいずれかが生じているなど、周辺の生活環境が著しく損なわれている状態(第2条第1号) |
| 堆積者 | 物品等を堆積させて、自らが居住する建物等に不良な状態を発生させている人(自然人に限る)(第2条第3号) |
| 建物等(共同住宅) | 市内の建物とその敷地。共同住宅など多数の人が住む住宅では、居住の用に供する各部分と、その周辺の共用部分(第2条第4号) |
| 罰則 | 条例本文に、罰金や過料の規定はありません |
基本方針として、堆積者が自ら解消することを原則としつつ、孤立などの生活上の諸課題を踏まえて福祉的観点から寄り添った支援を行い、支援を基本として必要に応じて措置を講じると定めています(第3条)。市民には、居住する建物等を不良な状態にしないことを求めています(第5条第1項)。
24段階の支援
条例第7条は、支援を段階に分けて定めています。
01相談と状況の把握
市長は、堆積者と地域住民等からの相談に応じ、必要があるときは物品等の堆積の状態を可能な限り調査・把握したうえで、情報の提供や助言を行います(第7条第1項)。
02福祉制度の手続の支援
堆積者に、生活保護法・介護保険法などの手続に関する情報の提供、相談、助言を行います(第7条第2項)。
03申出に基づく排出支援
堆積者が自ら解消することが困難なときは、堆積者の申出に基づき、堆積物の排出支援を行うことができます(第7条第3項)。市のページでは、本人が同意しているものの自ら解消が困難な場合に市が排出支援をすると説明しています。
04解消後の再発防止
解消した後に再び不良な状態にならないよう、地域住民等による見守りなど、孤立などの生活上の課題の解決に向けた取組が適切になされるよう支援します(第7条第4項)。
排出支援を受ける場合の費用の扱いは、条例本文には定めがありません。市に確認してください。
3支援で解消できない場合の措置
支援によって解消することが難しい場合の措置は、条例本文で次のように定められています。
01調査・立入調査
堆積者の居住の状況、親族関係、就労の状況、心身の状態、福祉制度の利用状況などの報告を求め、関係者に調査できます。立ち入る際は、堆積者または所有者等に通知します(通知が困難なときを除く)(第8条)。
02指導・勧告
支援による解消が難しいと認めるときは、堆積物の適切な保管・処分などの改善措置を指導し、なお不良な状態にあるときは期限を定めて勧告できます(第9条)。
03命令
勧告をしても不良な状態にあるときは、期限を定めて命令できます。命令は目的の達成に必要な限度で行い、事前に審議会の意見を聴き、命令書を交付します(第10条)。
04代執行
命令に従わず、他の手段では履行の確保が難しく、放置が著しく公益に反すると認めるときは、審議会の意見を聴いたうえで行政代執行法により代執行し、費用を堆積者から徴収できます(第11条)。
4審議会と対策会議
| 審議会(第13条) | 鎌倉市住居における物品等の堆積による不良な状態の解消に関する審議会。命令・代執行などについて市長の諮問に応じて調査審議し、指導・勧告などについて意見を述べることもできます。条例上の委員は10人以内、任期2年 |
|---|---|
| 委員の構成 | 市のページでは、弁護士、学識経験者等7人で構成し、任期は2年と説明しています |
| 開催実績 | 市のページに、令和元年度2回、令和2年度2回、令和3年度3回、令和4年度・令和5年度・令和6年度各1回の開催が掲載されています。個別の事案の審議は個人情報保護の観点から全部または一部を非公開としています |
| 対策会議(第12条) | 関係機関の職員などから多角的な意見を聴き、連携して解消を協議するため、市長が必要に応じて開催します |
| 判定基準 | 市は「鎌倉市建物等における不良な状態に関する判定基準要綱」を公開しています |
5相談窓口
環境部 環境保全課 環境保全担当
市のページの問い合わせ先。鎌倉市御成町18-10 本庁舎1階、電話 0467-61-3420、メール [email protected]。
条例は、堆積者だけでなく地域住民等からの相談にも適切に応じると定めています(第7条第1項)。近所の住まいについて心配なことがある場合も、この窓口に問い合わせてください。
業者に依頼する場合の許可の確かめ方は片付け業者の許可の確認方法、無料回収をうたう業者への注意点は「無料回収」の注意点で解説しています。条例のある他の自治体との違いはゴミ屋敷の条例と自治体の相談窓口にまとめています。
6よくある質問
Q. 鎌倉市でゴミ屋敷の相談はどこにすればよいですか。
A. 市のページでは、環境部環境保全課 環境保全担当(電話 0467-61-3420)を問い合わせ先にしています。
Q. マンションの一室も対象になりますか。
A. 条例は、共同住宅など多数の人が住む住宅では、居住の用に供する各部分とその周辺の共用部分を「建物等」としています(第2条第4号)。
Q. 市が片付けを手伝ってくれることはありますか。
A. 堆積者が自ら解消することが困難なときは、堆積者の申出に基づき、堆積物の排出支援を行うことができると定めています(第7条第3項)。
Q. 鎌倉市の条例に罰則はありますか。
A. 条例本文に罰金や過料の規定はありません。命令に従わない場合の代執行の規定があります(第11条)。
7出典・参考にした公式情報
本記事の制度・窓口の記述は、以下の公式情報にもとづいています。
- 住居における物品等の堆積による不良な状態の解消及び発生防止の取組を推進します(鎌倉市(更新日 2026年2月26日)・2026年11月4日確認)
- 鎌倉市住居における物品等の堆積による不良な状態の解消及び発生防止のための支援及び措置に関する条例(PDF)(鎌倉市・2026年11月4日確認)
- 鎌倉市建物等における不良な状態に関する判定基準要綱(PDF)(鎌倉市・2026年11月4日確認)
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本記事は、鎌倉市の公式ページと、同ページに掲載された条例本文を2026年11月4日に確認した内容にもとづく一般的な情報です。個別の事案への対応は、市の担当窓口が状況に応じて判断します。制度や窓口は変わることがあるため、必ず鎌倉市の最新の案内をご確認ください。