片付けレスキュー
自治体のゴミ屋敷対策

袋井市のゴミ屋敷対策|条例の対象範囲・改善計画書・弁明つきの公表

片付けレスキュー編集部

袋井市は「袋井市建築物等における物品の堆積による不良な状態の適正化に関する条例」(平成29年3月31日 袋井市条例第19号)を定め、平成29年4月1日から施行しています。

この記事では、市の例規集に掲載されている条例本文と施行規則を2026年11月5日に開いて確認した内容をもとに、袋井市の条例の特徴を整理しました。

この記事の要点

  • 対象は、建築物とその敷地での物の堆積等により、害虫・ねずみ・悪臭・火災の発生や物の崩落のおそれなどで周辺の生活環境の保全上著しい支障がある(おそれがある)「不良な状態」。空家等と特定空家等は対象外
  • 不良な状態は堆積者の責任で自ら解消するのが原則。市は福祉的観点から堆積者に寄り添った支援を行うと定めている
  • 指導を受けた人は改善計画書を出す。命令に従わないときの公表では、本人の弁明の内容もあわせて公表する
  • 立入調査を正当な理由なく拒んだり虚偽の陳述をしたりすると3万円以下の過料

1条例の対象になるもの・ならないもの

袋井市の条例は、定義の段階で対象を絞っています(第2条)。

項目条例の定め条文
建築物等建築基準法の建築物とその敷地。空家等対策の推進に関する特別措置法の空家等・特定空家等は除く第2条第2号
堆積者物を堆積することにより不良な状態を発生させている者。自然人に限る第2条第3号
堆積物堆積することにより不良な状態の原因となっている物第2条第4号
市民の責務何人も、居住し、または使用する建築物等を不良な状態にしてはならない第3条第1項

空き家のごみや草木の問題は、この条例ではなく空家等対策の推進に関する特別措置法の枠組みで扱われます。

2袋井市の条例の概要

名称袋井市建築物等における物品の堆積による不良な状態の適正化に関する条例(平成29年3月31日 袋井市条例第19号)
施行平成29年4月1日(附則)。施行規則(平成29年3月31日 規則第14号)も同日施行
不良な状態物の堆積等に起因する害虫、ねずみ、悪臭もしくは火災の発生または物の崩落のおそれ、その他これらに準ずる影響により、周辺の生活環境の保全上著しい支障を及ぼし、または生ずるおそれがある状態(第2条第1号)
市の責務市民と協力して発生の防止と解消に努める。背景に堆積者の地域社会における孤立等の生活上の諸課題があり得ることを踏まえ、福祉的観点から寄り添った支援を行う(第4条)
審議会条例本文に審議会の規定はありません
罰則立入調査を正当な理由なく拒み・妨げた者、虚偽の陳述をした者は3万円以下の過料(第11条)

市長は、指導・勧告や命令に必要があるときは、立入調査や質問のほか、官公署に対して建築物等や調査対象者についての情報の提供を求めることができます(第9条第4項)。

3指導・勧告から代執行までの流れ

条例と施行規則の規定を、調査から順に並べると次のとおりです。

01調査

不良な状態にある(おそれがある)と認めるときは、職員が立ち入って状態を調査し、居住者・使用者・堆積者・所有者などに質問できます。職員は身分証明書を提示します(第9条)。

02指導または勧告

堆積者に、期限を定めて堆積物の適切な管理・処分などの措置を指導または勧告できます(第5条)。指導は指導書で行い、指導を受けた人は改善計画書を提出します(規則第3条)。

03改善命令

指導・勧告を受けてもなお不良な状態にしていると認めるときは、期限を定めて堆積物の適切な処分などを命じることができます(第6条)。

04公表

命令に正当な理由なく従わないときは公表できます。事前に弁明の機会を与え、弁明があればその内容もあわせて公表します(第7条)。

05代執行

ほかの手段で履行を確保することが困難で、放置が著しく公益に反するときは、行政代執行法により代執行し、費用を義務者から徴収できます(第8条)。

4公表の手続と弁明

袋井市の条例と施行規則は、命令に従わない人を公表するときの手続を細かく定めています。

01弁明の機会の通知

公表しようとするときは、あらかじめ本人に理由を通知し、弁明の機会を与えます(第7条第2項)。施行規則では「弁明の機会の付与について」(様式第5号)で通知し、弁明書(様式第6号)で意見を述べる機会を与えると定めています(規則第6条第2項・第3項)。

02公表する事項

命令に従わない者の住所・氏名、命令の対象である土地等の所在地、命令の内容です(規則第6条第1項)。

03弁明の内容もあわせて公表

本人が弁明をしたときは、公表の際に弁明の内容をあわせて公表しなければならないと定めています(第7条第3項)。

5相談窓口

袋井市役所(代表)

〒437-8666 静岡県袋井市新屋1-1-1、電話 0538-43-2111(開庁時間 午前9時から午後4時、土日祝日・年末年始を除く)。2026年11月5日の時点で、この条例の担当課を案内する市のページは見つかりませんでした。代表電話で条例名を伝えて問い合わせてください。

条例は、不良な状態は堆積者の責任で自ら解消することを原則としています(第3条第2項)。片付けを業者に頼む場合の注意点は下の記事を参考にしてください。

業者に依頼する場合の許可の確かめ方は片付け業者の許可の確認方法、無料回収をうたう業者への注意点は「無料回収」の注意点で解説しています。条例のある他の自治体との違いはゴミ屋敷の条例と自治体の相談窓口にまとめています。

6よくある質問

Q. 袋井市の条例は空き家も対象ですか。

A. 対象外です。建築物等の定義から、空家等対策の推進に関する特別措置法の空家等と特定空家等を除いています(第2条第2号)。

Q. 指導を受けたら何をしますか。

A. 施行規則では、指導は指導書で行い、指導を受けた人は改善計画書を提出しなければならないと定めています(規則第3条)。

Q. 市が片付けの費用を出してくれますか。

A. 条例本文に、市が片付けを行う支援や費用の定めはありません。市は福祉的観点から堆積者に寄り添った支援を行うと定めています(第4条第2項)。

Q. 袋井市の条例に罰則はありますか。

A. 立入調査を正当な理由なく拒み・妨げたり、虚偽の陳述をしたりした者は3万円以下の過料です(第11条)。命令に従わないときは公表と代執行の規定があります。

7出典・参考にした公式情報

本記事の制度・窓口の記述は、以下の公式情報にもとづいています。

本記事は、袋井市の条例本文を2026年11月5日に確認した内容にもとづく一般的な情報です。個別の事案への対応は、市の担当窓口が状況に応じて判断します。制度や窓口は変わることがあるため、必ず袋井市の最新の案内をご確認ください。