片付けレスキュー
自治体のゴミ屋敷対策

浜松市のゴミ屋敷対策|不良な生活環境の条例・4つの基本方針・相談窓口

片付けレスキュー編集部

浜松市は、いわゆる「ごみ屋敷」状態を「不良な生活環境」と呼び、その発生の防止と解消のために「浜松市住居等における物の堆積等による不良な生活環境の発生の防止及び解消のための支援その他の対策に関する条例」を令和5年7月1日に施行しました。指導・勧告、命令、行政代執行に係る内容は同年10月1日の施行です。

この記事では、浜松市の公式ページと条例本文を2026年11月3日に開いて確認した内容をもとに、対象となる状態、基本方針、支援と措置の流れ、相談窓口、片付けで出たごみの出し方を整理しました。

この記事の要点

  • 条例は令和5年7月1日施行(指導・勧告・命令・行政代執行は同年10月1日施行)
  • 市民が実際に住んでいる住居とその敷地で、悪臭・ねずみや衛生害虫・火災や崩落の危険などが生じている状態が対象
  • 本人が自ら解消するのが原則。孤立やセルフネグレクトなどの課題を踏まえ、福祉的な観点で寄り添った対策を行う
  • 命令と行政代執行は、浜松市不良な生活環境対策審議会の意見を聴いて行う

1浜松市の条例の概要

名称浜松市住居等における物の堆積等による不良な生活環境の発生の防止及び解消のための支援その他の対策に関する条例
施行令和5年7月1日(第11条〜第13条の指導・勧告、命令、行政代執行と、命令違反の過料は同年10月1日)
対象となる住居等市内の建物で現に居住の用に供しているもの、その敷地、居住のために一体的に利用されている土地
不良な生活環境物の堆積または放置が原因で、住居等の周辺に悪臭が発生している、ねずみまたは衛生害虫が発生している、火災・堆積物の崩落その他の危険が発生するおそれがある、などの状態。原因となっている物はごみに限りません
審議会専門家や学識経験者で構成する浜松市不良な生活環境対策審議会(委員7人以内)を設置

浜松市は、不良な生活環境の背景には地域社会における孤立やセルフネグレクトといった課題を抱えていることが多く、福祉的支援が必要なケースがあり得るとしています。そのうえで、本人が自ら解消することを原則に、福祉的な観点で寄り添った対策を行うこと、本人による解消が困難な場合は市と地域住民等が協力して対策を行うことなど、4つの基本方針を定めています。

2相談から解消までの流れ

市の公式ページと条例本文にもとづき、相談から解消までの流れを順に並べると次のとおりです。実際の対応は個別の状況によって異なります。

01相談と状態の把握

市は市民等からの相談に応じ、必要があると認めるときは物の堆積等の状態を調査して把握したうえで、情報の提供や助言などの支援を行います(条例第7条)。

02福祉制度につなぐ支援

本人に対しては、必要に応じて生活保護法や介護保険法などにもとづく手続きの情報提供・相談・助言を行うとされています。

03解消のための支援

本人が自ら解消することが困難であると認めるときは、本人の申出にもとづき、解消のために必要な支援を行うことができます。

04指導・勧告・命令

支援によって解消することが困難な場合は、堆積物の保管や処分などの改善措置を行うよう指導し、なお解消しないときは期限を定めて勧告、さらに命令をすることができます。命令の前には審議会の意見を聴きます。

05行政代執行と再発防止

命令に従わない場合の行政代執行も、あらかじめ審議会の意見を聴いて行います。解消後は、地域住民等による見守りなど再び不良な生活環境が発生しないための取組を支援するとされています。

3片付けの費用と支援の扱い

本人による解消が原則

浜松市の公式ページは、本来であれば不良な生活環境は発生させた本人が自ら解消しなければならないとしています。片付けや処分の費用も、まず本人や家族が負担する前提で考える必要があります。

困難な場合の支援

本人が自ら解消することが困難な場合は、市が相談・助言・情報提供や既存制度による支援を行うとされています。どの制度が使えるかは、市の担当課に相談してください。

罰則

条例には、命令に違反した場合と、正当な理由なく立入調査を拒んだ場合などの過料の定めがあります。

4相談窓口

環境部 環境政策課

不良な生活環境(いわゆる「ごみ屋敷」)対策の担当。浜松市中央区鴨江三丁目1-10 鴨江分庁舎、電話 053-453-6146。

環境部 一般廃棄物対策課

悪質な不用品回収業者やごみの出し方に関する問い合わせ。電話 053-453-0011。

市民コールセンター

担当課がわからないとき。電話 053-457-2111(受付時間 8時30分〜17時15分)。

条例は、市民に対し、近隣の住民と協力して地域で不良な生活環境を発生させないよう努めることも求めています。

5片付けで出たごみの出し方(市の案内)

本人や家族が片付ける場合、浜松市の公式ページでは次のような出し方と注意点が案内されています。

自分で処理施設に持ち込む

ごみ・資源物の種類によって搬入先が分かれます。持ち込む日の前日または当日に、搬入先へ必ず電話で連絡します。連絡ごみ(有料)を含む場合は、連絡ごみ受付センター(053-453-2288)に電話します。

収集運搬業者に依頼する

市は一般廃棄物収集運搬業者一覧表(令和8年2月現在)を公開しています。業者によって取り扱うごみの種類や収集できる区域が異なり、料金や収集の可否はごみの種類・量・距離等の条件で変わるため、各業者に問い合わせます。

悪質な不用品回収業者に注意

「無料で回収」と宣伝する業者に依頼したところ、後で料金を請求されたり、回収品が不法投棄されたりするトラブルが市内を含め全国で発生していると、市は注意を呼びかけています。不用品の回収には廃棄物収集運搬業の許可が必要です。

捨てる前にリユースを検討

市は、引越し前などに利用できる無料のリユース・リサイクルサービスをまとめたチラシを公開しています。

業者に依頼する場合の許可の確かめ方は片付け業者の許可の確認方法、無料回収をうたう業者への注意点は「無料回収」の注意点で解説しています。条例のある他の自治体との違いはゴミ屋敷の条例と自治体の相談窓口にまとめています。

6よくある質問

Q. 浜松市でゴミ屋敷の相談はどこにすればよいですか。

A. 環境部 環境政策課(053-453-6146)が不良な生活環境(いわゆる「ごみ屋敷」)対策の担当です。担当課がわからないときは市民コールセンター(053-457-2111)に問い合わせます。

Q. ごみ以外の物がたまっている場合も対象ですか。

A. 浜松市は、不良な生活環境の原因となっている物はごみに限らないとしています。物の堆積または放置が原因で、悪臭・ねずみや衛生害虫・火災や崩落の危険などが生じている状態が対象です。

Q. すぐに強制的に撤去されることはありますか。

A. 条例は、まず相談・助言・情報提供や既存制度による支援を行い、支援によって解消が困難な場合に指導・勧告、命令、行政代執行を必要に応じて行う仕組みです。命令と行政代執行の前には審議会の意見を聴きます。

Q. 浜松市で片付けを業者に頼むときの注意点は何ですか。

A. 市が公開する一般廃棄物収集運搬業者一覧表で、取り扱うごみの種類と収集できる区域を確認し、料金は業者に直接確認します。「無料で回収」をうたう業者には注意するよう市は呼びかけています。

7出典・参考にした公式情報

本記事の制度・窓口の記述は、以下の公式情報にもとづいています。

本記事は、浜松市の公式ページと条例本文を2026年11月3日に確認した内容にもとづく一般的な情報です。個別の事案への対応は、市の担当窓口が状況に応じて判断します。制度や窓口は変わることがあるため、必ず浜松市の最新の案内をご確認ください。