片付けレスキュー
自治体のゴミ屋敷対策

名古屋市のゴミ屋敷対策|条例の対象・支援と措置の流れ・環境局の相談窓口

片付けレスキュー編集部

名古屋市は、住居やその敷地に大量の物を溜め込んだり放置したりして周辺の生活環境に悪影響を与える、いわゆる「ごみ屋敷」に対応するため、「名古屋市住居の堆積物による不良な状態の解消に関する条例」を平成30年4月から施行しています。

この記事では、名古屋市の公式ページと条例本文・概要版・対応の概要(いずれもPDF)を2026年11月3日に開いて確認した内容をもとに、対象となる状態、支援と措置の流れ、費用の扱い、相談窓口、片付けで出たごみの出し方を整理しました。

この記事の要点

  • 条例は平成30年4月1日施行。現に住んでいる建物とその敷地等が対象
  • ねずみ・害虫・悪臭の発生、火災のおそれ、道路の通行障害などで周辺の生活環境に著しい支障がある状態が「不良な状態」
  • 解消は自ら行うのが原則。市は支援と、指導・勧告・命令・行政代執行の措置を組み合わせて対応する
  • 相談窓口は環境局事業部作業課(住居の不良堆積物対策の推進担当)052-972-2288

1名古屋市の条例の概要

名称名古屋市住居の堆積物による不良な状態の解消に関する条例
施行平成30年4月1日(条例本文の附則)
対象となる建物市内の建物で、現に居住に使用しているもの(その敷地と、敷地に隣接する土地を含む)
不良な状態物品等の堆積または放置により、ねずみや害虫・悪臭の発生、火災発生のおそれ、道路の通行障害など、周辺の生活環境に著しい支障が生じている状態
市民等の責務市民は居住する建物等を不良な状態にしてはならない。居住者と異なる所有者・管理者は、居住者と協力して不良な状態とならないよう努める
会議・審議会各区に区対策会議を置く。命令・行政代執行・経費の支出を要する支援を行う場合は、有識者等で構成する審議会の意見をあらかじめ聴く

名古屋市は、不良な状態の背景には居住者が様々な生活上の課題を抱えていることが少なくないとし、堆積した物品等を撤去するだけでなく、居住者の課題に応じた適切な支援を行うことが根本的な解決に必要だとしています。条例にもとづき、市は居住者や関係者への報告の求め、市が保有する情報の利用、関係機関への情報提供の依頼、立入調査を行うことができます。

2相談から解消までの流れ

市の「対応の概要」に示されている対応の流れを、相談から順に並べると次のとおりです。実際の対応は個別の状況によって異なります。

01相談・通報等の受付

ごみ屋敷についての相談や条例に関する問い合わせは、環境局事業部作業課(住居の不良堆積物対策の推進担当)が受け付けています。

02調査

市は、居住者に関する情報の利用、関係機関への情報提供の依頼、不良な状態とされる建物等への立入調査などを行うことができます。

03支援

不良な状態の解消は自ら行うことを原則とし、市は解消を働きかけるとともに、堆積物の撤去や収集の支援、福祉サービス等の申請に向けた助言などを必要に応じて行います。

04指導・勧告・命令

再三の働きかけに応じず不良な状態が解消しない場合、市は指導を行い、従わないときは期限を定めて勧告、さらに命令をすることができます。

05行政代執行・応急措置

命令に従わず周辺への悪影響が著しい場合などには、行政代執行により物品等を撤去することがあります。重大な危害を防ぐ緊急の必要があるときは、必要最小限度の応急措置を行うことができます。

06解消後の再発防止

不良な状態の解消後も、再発防止のための取組を行うとされています。

3片付けの費用と支援の扱い

解消は自ら行うのが原則

市の資料では、不良な状態の解消は自ら行うことを原則としています。片付けや処分にかかる費用も、まず本人や家族が負担する前提で考える必要があります。

経費の支出を要する支援

条例の概要版には、居住者が自ら不良な状態を解消することが困難であると認められるときは、経費の支出を要する支援を行うことができると書かれています。この支援を行う場合は、あらかじめ審議会の意見を聴くとされています。

応急措置の費用

条例本文では、市長が応急措置を講じたときは、その措置に要した費用を建物等に係る堆積者から徴収できると定めています。

罰則

命令に違反した場合や、正当な理由なく立入調査を拒否した場合などに、過料を科すことができると定められています。

4相談窓口

環境局 事業部 作業課(住居の不良堆積物対策の推進担当)

ごみ屋敷の相談と条例に関する問い合わせ。名古屋市役所本庁舎4階。電話 052-972-2288、ファクス 052-972-4133。

各区の環境事業所

通常の市の収集で出す方法や、焼却工場などへの自己搬入については、所在地のある区の環境事業所が窓口です(環境局事業部作業課 052-972-2394 でも案内)。

許可業者への依頼に関する問い合わせ

環境局事業部廃棄物指導課 052-972-2683、名古屋市一般廃棄物事業協同組合 052-961-5383(許可業者の組合で、市の組織ではありません)。受付は月曜〜金曜の午前9時〜午後5時。

区ごとの対策の協議は、各区に置かれる区対策会議で行われます。近所の住まいについての相談も、まず環境局の担当窓口に問い合わせてください。

5片付けで出たごみの出し方(市の案内)

本人や家族が片付ける場合、名古屋市の「引越しや片付け、遺品整理などで一度に大量に出るごみ(一時多量ごみ)の処理」のページ(2026年10月1日更新)では、次の3つの方法が案内されています。

通常の市の収集で計画的に出す

分別して通常の収集日に、一度に大量にならないよう計画的に出します。容量45リットルの指定袋に入らないものは粗大ごみ(有料・申込制)です。令和8年10月収集分から、粗大ごみの対象が「容量45リットルの指定袋に入らないもの」に変わっています。

焼却工場などへ自分で運ぶ(自己搬入)

自分で市の処理施設に運ぶ方法です。重量に応じた料金がかかります。料金と受入の条件は、市の「ご自分で処理施設に搬入する場合(自己搬入)」のページで確認してください。

市の許可業者に依頼する

許可業者によって「室内整理から」「室内からの搬出から」「ごみ置き場からの運搬のみ」と対応できる条件が違うため、市が公開している区別の許可業者リストを参考に選びます。依頼の際は「一時多量ごみ等処理申込書」を許可業者に提出します。

市の許可のない回収業者は使わない

市は、許可のない回収業者を利用しないよう呼びかけています。古物商や産業廃棄物収集運搬業の許可では家庭ごみは回収できず、「定額料金」「即日対応」「格安」などとうたう業者による高額請求のトラブルが報告されています。

業者に依頼する場合の許可の確かめ方は片付け業者の許可の確認方法、無料回収をうたう業者への注意点は「無料回収」の注意点で解説しています。条例のある他の自治体との違いはゴミ屋敷の条例と自治体の相談窓口にまとめています。

6よくある質問

Q. 名古屋市でゴミ屋敷の相談はどこにすればよいですか。

A. 環境局事業部作業課(住居の不良堆積物対策の推進担当、電話 052-972-2288)が、ごみ屋敷の相談と条例に関する問い合わせを受け付けています。

Q. どのような住まいが条例の対象になりますか。

A. 名古屋市の条例の対象は、市内の建物で現に居住に使用しているものと、その敷地等です。ねずみや害虫・悪臭の発生、火災のおそれ、道路の通行障害など、周辺の生活環境に著しい支障が生じている状態が対象とされています。

Q. 片付けの費用は名古屋市が負担してくれますか。

A. 不良な状態の解消は自ら行うのが原則です。居住者が自ら解消することが困難であると認められる場合には、審議会の意見を聴いたうえで、経費の支出を要する支援を行うことができると条例に定められています。

Q. 名古屋市で家の片付けを業者に頼むときの注意点は何ですか。

A. 市の一般廃棄物収集運搬の許可業者に依頼し、「一時多量ごみ等処理申込書」を提出します。室内整理や室内からの搬出を伴う場合は、収集運搬処分料金とは別に業者の指定する料金がかかると市は案内しています。

7出典・参考にした公式情報

本記事の制度・窓口の記述は、以下の公式情報にもとづいています。

本記事は、名古屋市の公式ページと条例本文などを2026年11月3日に確認した内容にもとづく一般的な情報です。個別の事案への対応は、市の担当窓口が状況に応じて判断します。制度や窓口は変わることがあるため、必ず名古屋市の最新の案内をご確認ください。