片付けレスキュー
自治体のゴミ屋敷対策

中野区のゴミ屋敷対策|物品の蓄積等の条例・指導から代執行までと費用の減免・相談先

片付けレスキュー編集部

中野区は、建物やその敷地に物が積み重なったり放置されたりして周辺の生活環境に支障が出ている、いわゆる「ごみ屋敷」に対応するため、「中野区物品の蓄積等による不良な生活環境の解消に関する条例」を平成29年6月21日に制定し、同日から施行しています(過料の規定は同年9月1日施行)。

この記事では、区の例規集に掲載されている条例本文と、区の条例の概要のページ、臨時ごみのページを2026年11月3日に開いて確認した内容をもとに、対象となる状態、指導から代執行までの流れ、費用の扱い、相談先、片付けで出たごみの出し方を整理しました。

この記事の要点

  • 建物とその敷地(空家等を除く)・あき地での物品の蓄積や放置、植栽の繁茂などで、害虫・ねずみ・悪臭、火災や崩落のおそれなどが生じ、周辺に支障が及んでいる状態が対象
  • 生活上の課題の解決が必要なときは、保健所や福祉事務所などの事務と一体的に対応すると定めている
  • 指導・勧告(審査会に諮問)・命令・公表・代執行のほか、急迫時の緊急安全措置もある
  • 個人で資力がない場合などは代執行費用を減額・免除できる。命令違反は5万円以下、立入調査拒否などは3万円以下の過料

1中野区の条例の概要

名称中野区物品の蓄積等による不良な生活環境の解消に関する条例(平成29年6月21日 条例第23号)
施行公布の日(平成29年6月21日)。過料を定める第19条は平成29年9月1日(附則)
対象となる場所建築物とその敷地(物品の蓄積等が一体となっている隣接の私道などを含み、空家等対策特別措置法の空家等を除く)と、あき地(第2条第1号)
物品の蓄積等物品の蓄積・放置、植栽の繁茂、建築物に当たらない工作物の放置、動物への衛生上問題のある給餌(第2条第2号)
不良な生活環境物品の蓄積等により、害虫・ねずみ等や悪臭の発生、火災・崩落・不法投棄のおそれ、景観の著しい毀損などの状態が生じ、周辺地域の生活環境に支障が及んでいること(第2条第3号)
審査会中野区物品の蓄積等による不良な生活環境の解消に関する審査会(区長の附属機関)。勧告の前に諮問し、緊急安全措置を行ったときは報告する

区は、消防署や警察署などと協働して対策を講じ(第3条第1項)、ごみ屋敷を生じさせている人が生活上の課題を抱えていて、その解決が必要なときは、調査や指導を、保健所の事業、福祉事務所の事務、すこやか福祉センターの事務などと一体的に行うとしています(第3条第2項)。区の概要のページからは、条例の全文と運用ガイドラインのPDFも確認できます。

2相談から解消までの流れ

条例本文の規定を順に並べると次のとおりです。実際の対応は個別の状況によって異なります。

01調査・立入調査

区長は、所有者などに報告を求めるほか、官公署に所有関係や親族関係、福祉・保健制度の利用状況などを照会できます(第6条)。必要な限度で職員を立ち入らせて調査・質問させることもできます(第7条)。

02指導

ごみ屋敷を生じさせている人に対し、区長は解消に必要な指導をすることができます(第9条第1項)。

03書面による勧告

指導をしても解消しないときは、相当の期限を定めて書面で勧告できます。勧告の前には、あらかじめ審査会に諮問して意見を聴きます(第9条第2項・第3項)。

04書面による命令と公表

勧告をしても解消しないときは、相当の期限を定めて書面で命令できます。命令に従わないときは、理由を通知し、意見を述べる機会を与えたうえで、氏名・住所や所在地などを公表できます(第10条)。

05代執行

命令を受けた人が正当な理由なく期限までに措置をしないときは、区が行政代執行法にもとづいて措置を行い、その費用を命令を受けた人から徴収できます(第11条)。

06緊急安全措置

区民の生命・身体・財産に危害が及ぶ急迫した状況では、指導・勧告・命令の手続を経ずに、必要最小限度の措置を行うことができます。行った場合は審査会に報告します(第12条)。

3片付けの費用と支援の扱い

解消の費用は本人の負担が前提

条例本文には、片付けの費用を事前に区が支援する規定はありません。代執行を行った場合も、費用は命令を受けた人から徴収するのが原則です(第11条)。

代執行費用の減額・免除

命令を受けた人が個人で、資力がない場合や、費用の負担が今後の生活の再建を著しく阻害すると認められる場合は、区長は代執行の費用を減額または免除できます(第13条)。

過料

正当な理由なく立入調査を拒んだり虚偽の陳述をした人には3万円以下、命令に違反した人には5万円以下の過料を科すことができます(第19条)。

4相談窓口

環境部 環境課

区の条例の概要のページを担当している課です。電話番号は同ページに記載がないため、区の代表窓口などで確認してください。

環境部 清掃事務所

片付けで一度に多量のごみが出る場合(臨時ごみ)の相談先です。

近所の住まいについての相談も、まず区の担当課に問い合わせてください。区は、本人が抱える生活上の課題がある場合は保健・福祉の部署と一体で対応するとしています。

5片付けで出たごみの出し方(市の案内)

本人や家族が片付ける場合、中野区の「一度に多量のごみが出るとき(臨時ごみ)」のページ(更新日 2026年2月4日)では、次のように案内しています。

45リットルの袋で5袋以上は臨時ごみ(有料)

植木の剪定や引越しなどで、一度に多量(45リットルのごみ袋で5袋以上)のごみを出す場合は臨時ごみとなり、有料です。臨時ごみは清掃事務所に相談します。

大きな家具などは粗大ごみ(事前申込制)

大型の家具などは粗大ごみとして事前に申し込んで出します。申し込み方法と手数料は区の「粗大ごみの申込み」のページで確認してください。

業者に依頼する場合の許可の確かめ方は片付け業者の許可の確認方法、無料回収をうたう業者への注意点は「無料回収」の注意点で解説しています。条例のある他の自治体との違いはゴミ屋敷の条例と自治体の相談窓口にまとめています。

6よくある質問

Q. 中野区のゴミ屋敷条例の対象は何ですか。

A. 建物とその敷地(空家等を除く)やあき地で、物品の蓄積・放置、植栽の繁茂などにより、害虫・ねずみや悪臭、火災・崩落・不法投棄のおそれなどが生じ、周辺地域の生活環境に支障が及んでいる状態です。

Q. 代執行になった場合、費用は必ず全額払う必要がありますか。

A. 原則として命令を受けた人から徴収しますが、個人で資力がない場合や、負担が今後の生活の再建を著しく阻害すると認められる場合は、区長が減額または免除できると定められています(第13条)。

Q. 中野区の条例に罰則はありますか。

A. 命令に違反した場合は5万円以下、立入調査を拒んだ場合などは3万円以下の過料を科すことができます。

Q. 片付けで大量のごみが出る場合はどうすればよいですか。

A. 45リットルのごみ袋で5袋以上を一度に出す場合は臨時ごみ(有料)になります。区の清掃事務所に相談してください。

7出典・参考にした公式情報

本記事の制度・窓口の記述は、以下の公式情報にもとづいています。

本記事は、中野区の条例本文と公式ページを2026年11月3日に確認した内容にもとづく一般的な情報です。個別の事案への対応は、区の担当窓口が状況に応じて判断します。制度や窓口は変わることがあるため、必ず中野区の最新の案内をご確認ください。