八王子市のゴミ屋敷対策|条例の排出支援と費用・過料・ごみの持ち去り禁止
八王子市は、いわゆるごみ屋敷への対策として、「八王子市住居等における物の堆積等に起因する不良な生活環境の改善に関する条例」(平成31年3月27日 条例第14号)を制定し、平成31年(2019年)4月1日から施行しています。罰則の規定(第16条)は同年7月1日からの施行です。
市の説明では、条例の制定と同時に「八王子市廃棄物の処理及び再利用の促進に関する条例」も改正しています。この記事では、市の例規集に掲載されている条例本文と、市の「ごみ屋敷対策」の各ページ・条例周知チラシを2026年11月4日に開いて確認した内容をもとに、八王子市の条例に特有の点を中心に整理しました。
この記事の要点
- 物の堆積・放置によるねずみ・害虫・悪臭、火災のおそれなどで、近隣の生活環境に著しい支障が生じている住居等が対象
- 片付ける意思はあるが自ら行えない居住者には、同意を得たうえで市が一般廃棄物の排出などを支援できる。第三者に行わせた場合の費用は支援を受けた人から徴収し、生活保護の受給中などは適用しない
- 命令と代執行の前には審議会に諮問する。立入調査の拒否は3万円以下、命令違反は5万円以下の過料
- 問い合わせ先は環境部廃棄物対策課(042-620-7458)
1八王子市の条例の概要
| 名称 | 八王子市住居等における物の堆積等に起因する不良な生活環境の改善に関する条例(平成31年3月27日 条例第14号) |
|---|---|
| 施行 | 平成31年4月1日。罰則(第16条)は同年7月1日(附則第1項)。例規集の表示は令和7年8月12日施行の改正を反映 |
| 住居等 | 人の居住の用に供する建築物とその敷地(第2条第1号) |
| 不良な生活環境 | 住居等における物の堆積または放置によるねずみ・害虫・悪臭の発生、火災発生のおそれ等により、近隣の生活環境に著しい支障が生じている状態(第2条第2号) |
| 居住者等 | 住居等の居住者・所有者・管理者。適正な管理と、不良な生活環境になった場合の速やかな改善を求めています(第5条) |
| 緊急措置 | 物の堆積等が市民の生命・身体・財産に重大な危害を及ぼすおそれがあり緊急に対応が必要なときは、必要な最小限度の措置ができます(第13条) |
市は不良な生活環境の改善に資する対策を実施し、地域住民等と協力して良好な生活環境を確保する対策を行うとしています(第3条)。市民には、市が実施する対策への協力に努めるよう求めています(第4条)。
2排出支援の費用と免除
支援の内容
市は、生活保護法・介護保険法などに基づく手続の情報提供や助言を行います(第9条第1項)。居住者が自ら改善することが難しいと認めるときは、原因の物のうち一般廃棄物(事業活動に伴うものを除く)の排出・収集・運搬・処分などを支援できます(同条第2項)。
支援には居住者の同意が必要
排出などの支援を行う前に、市は居住者に必要な説明を行い、同意を得なければならないと定めています(第9条第4項)。市の周知チラシでも、片付ける意思はあるものの自ら行うことができない場合の支援と説明しています。
市が処分した場合の手数料
市が自ら一般廃棄物を処分する場合は、臨時に排出されるごみの処分とみなして、八王子市廃棄物の処理及び再利用の促進に関する条例の手数料の規定(第44条・第45条・別表)を適用します(第9条第5項)。金額は市の案内で確認してください。
第三者に行わせた場合の費用
市は支援の全部または一部を第三者に行わせることができ(第9条第3項)、その場合の費用は支援を受けた人から徴収します(同条第6項)。
費用の規定を適用しない場合
支援を受けた人が生活保護法による保護、または中国残留邦人等の支援法による支援給付を受けているとき、または市長が特別の事情があると認めるときは、上記の手数料・費用の規定は適用しません(第9条第7項)。
3指導から代執行までの流れ
条例本文と市の周知チラシの流れ図をもとに、支援で改善しない場合の措置を順に並べると次のとおりです。
01調査・報告
物の堆積等の状態、住居等の使用・管理の状況や所有関係などを調べ、居住者等に報告を求めることができます。市が他の事務で保有する情報の利用や、関係機関への情報提供の依頼もできます(第6条)。
02指導・勧告
不良な生活環境にあると認めるときは居住者(確知できないときは所有者)に指導し、改善されないときは期限を定めて書面で改善対策を勧告できます(第10条)。
03立入調査
措置の実施に必要な限度で、市長が指定する職員が住居等に立ち入って調査し、関係者に質問できます(第8条)。
04命令
正当な理由なく勧告に従わないときは、期限を定めて書面で命令できます。命令の前には審議会に諮問します(第11条)。
05代執行
命令に従わず、他の手段では履行の確保が難しく、放置が著しく公益に反すると認めるときは、行政代執行法により代執行し、費用を命令を受けた人から徴収できます。代執行の前にも審議会に諮問します(第12条)。
4対策会議・審議会と過料
八王子市の条例は、市の内部で協議する対策会議と、市長の附属機関である審議会を分けて置いています。
| 対策会議(第14条) | 不良な生活環境の改善に資する対策の検討と実施について協議する、市に置く会議。周知チラシでは、調査で集めた情報を共有し、改善に向けて検討・協議する庁内組織と説明しています |
|---|---|
| 審議会(第15条) | 八王子市物の堆積等に起因する不良な生活環境の改善に関する審議会。命令と代執行について市長の諮問に応じて調査審議し答申します。委員は8人以内、任期2年 |
| 審議会の開催 | 市のページに年度ごとの活動状況が掲載されています。第11回は令和8年(2026年)2月24日の開催で、不良な生活環境の対応状況の報告は個人情報を含むため非公開とされています |
| 過料(第16条) | 正当な理由なく立入調査を拒み・妨げ・忌避した人は3万円以下、命令に違反した人は5万円以下の過料 |
5ごみの持ち去り禁止(関連条例の改正)
市は、ごみ屋敷条例の制定と同時に「八王子市廃棄物の処理及び再利用の促進に関する条例」を改正しました。条例制定時(2019年4月)に市が発行した周知チラシでは、ごみ屋敷化の原因の一つとして、ごみの持ち去りを2019年7月1日から禁止すると説明しています。
改正前
資源物の持ち去りには20万円以下の罰金。ごみの持ち去りには罰則なし(周知チラシの比較表)。
改正後(2019年7月1日以降)
資源物に加えて、ごみの持ち去りにも20万円以下の罰金(周知チラシの比較表)。
罰金の対象や金額の最新の規定は、市の例規集で廃棄物条例の本文を確認してください。
6相談窓口
環境部 廃棄物対策課
市の「いわゆる「ごみ屋敷条例」の制定と関連条例の改正について」のページの問い合わせ先。〒192-8501 八王子市元本郷町三丁目24番1号、電話 042-620-7458。条例では審議会の庶務も環境部が担当します(第15条第15項)。
市の周知チラシでは、既存の保健福祉サービスと条例の仕組みを組み合わせて改善に取り組むと説明しています。近所の住まいについて心配なことがある場合も、まずこの窓口に問い合わせてください。
業者に依頼する場合の許可の確かめ方は片付け業者の許可の確認方法、無料回収をうたう業者への注意点は「無料回収」の注意点で解説しています。条例のある他の自治体との違いはゴミ屋敷の条例と自治体の相談窓口にまとめています。
7よくある質問
Q. 八王子市でゴミ屋敷の相談はどこにすればよいですか。
A. 市のごみ屋敷条例のページでは、環境部廃棄物対策課(電話 042-620-7458)を問い合わせ先にしています。
Q. 市に片付けを支援してもらうと費用はかかりますか。
A. 市が自ら処分する場合は臨時ごみの処分とみなして手数料の規定を適用し、第三者に行わせた場合はその費用を支援を受けた人から徴収すると定めています。生活保護の受給中などは、これらの規定は適用しません(第9条第5項〜第7項)。
Q. 八王子市の条例に罰則はありますか。
A. 立入調査を正当な理由なく拒んだ場合は3万円以下、命令に違反した場合は5万円以下の過料と定めています(第16条)。
Q. 集積所のごみを持ち帰ることは禁止されていますか。
A. 市の周知チラシでは、廃棄物条例の改正により、2019年7月1日からごみの持ち去りにも20万円以下の罰金を科すと説明しています。
8出典・参考にした公式情報
本記事の制度・窓口の記述は、以下の公式情報にもとづいています。
- 八王子市住居等における物の堆積等に起因する不良な生活環境の改善に関する条例(八王子市 例規集・2026年11月4日確認)
- ごみ屋敷対策(八王子市・2026年11月4日確認)
- いわゆる「ごみ屋敷条例」の制定と関連条例の改正について(八王子市・2026年11月4日確認)
- 条例周知チラシ(2019年4月)(八王子市・2026年11月4日確認)
- 審議会 令和7年度(2025年度)活動状況(八王子市・2026年11月4日確認)
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本記事は、八王子市の条例本文と公式ページを2026年11月4日に確認した内容にもとづく一般的な情報です。個別の事案への対応は、市の担当窓口が状況に応じて判断します。制度や窓口は変わることがあるため、必ず八王子市の最新の案内をご確認ください。